川端 賢一 / Kenichi Kawabata

クラリネット奏者|トーンマイスター|クラシック音楽録音エンジニア
+43 681 2053 2017 · [email protected] · kenichi-kawabata.com · 2026-06-03

プロフィール

オーストリア・フォアアールベルク州フェルトキルヒを拠点に活動するクラリネット奏者・トーンマイスター。ロンドン王立音楽院でクラリネット演奏を学び、チューリッヒ芸術大学でクラシック録音を専門とするトーンマイスター課程を首席で修了。演奏家としての音楽的視点と、録音・音響技術の専門性を結びつけ、クラシック音楽の演奏・録音・制作に携わっている。

基本情報

項目内容
氏名川端 賢一 / Kenichi Kawabata
国籍日本
拠点Feldkirch, Vorarlberg, Austria
電話+43 681 2053 2017
メール[email protected]
公式サイトhttps://kenichi-kawabata.com
言語日本語、ドイツ語、英語

学歴

チューリッヒ芸術大学(ZHdK)

2024年から2025年にかけて、チューリッヒ芸術大学(Zürcher Hochschule der Künste / ZHdK)にて、クラシック録音を専門とするトーンマイスター修士課程を修了。Prof. Andreas Werner のもとで録音制作、音響技術、音楽解釈と録音表現の関係について学び、最高評価6.0により同課程を首席で修了した。

また、2022年から2024年には同大学にて Diploma of Advanced Studies(DAS)Tontechnik – Klassische Aufnahmetechnik を修了。クラシック音楽録音におけるマイクロフォン技術、セッション設計、編集、ミキシング、音楽家とのコミュニケーションを体系的に学んだ。

ザルツブルク・モーツァルテウム大学

2019年から2024年にかけて、ザルツブルク・モーツァルテウム大学の器楽・声楽教授法課程に在籍し、フォアアールベルク州立音楽院(フェルトキルヒ)にてクラリネットを専攻。Bachelor of Arts in Instrumental- und Gesangspädagogik(クラリネット)を最優秀成績で修了した。

ロンドン王立音楽院

2014年から2016年にかけて、Royal Academy of Music(ロンドン王立音楽院)にてクラリネット演奏を専攻し、Master of Arts in Clarinet Performance を Distinction で修了。Prof. Mark Van de Wiel、Timothy Lines、Laurent Ben Slimane に師事し、ロンドンにおいて室内楽、オーケストラ、現代音楽の演奏経験を積んだ。

京都市立芸術大学

2007年から2011年にかけて、京都市立芸術大学 音楽学部 音楽学科にてクラリネットを専攻し、音楽学士を取得。クラリネット演奏を中心に、室内楽、現代音楽、作曲・編曲、指揮などを学んだ。

演奏活動

クラリネット奏者として、日本、イギリス、オーストリア、スイスを中心に、オーケストラ、室内楽、吹奏楽、現代音楽の分野で活動している。ロンドン王立音楽院在学中には、クラシックから現代音楽まで幅広いレパートリーに取り組み、Manson Ensemble、Royal Academy Symphony Orchestra などで演奏経験を積んだ。

ロンドン滞在中には Philharmonia Orchestra London の公演にもクラリネット奏者として参加し、ユーリ・テミルカーノフ指揮の演奏会などに出演。オーケストラ奏者としての経験を通じて、大規模な音楽制作現場における集中力、読譜力、アンサンブル能力を培った。

2018年以降はオーストリア・フォアアールベルク州を拠点に活動し、WINDWERK Vorarlberg では第1クラリネットおよびEsクラリネットを担当。Argovia Philharmonic、Symphonieorchester Vorarlberg などの公演にもクラリネット奏者として出演している。

また、2019年および2021年には Bregenzer Festspiele の湖上オペラ《Rigoletto》にオーケストラ奏者として参加。フェスティバル規模の舞台制作、屋外劇場特有の音響環境、長期公演における現場運営を演奏者の立場から経験した。

室内楽では、フェルトキルヒのコンサートシリーズ Musik in der Pforte に継続的に参加し、クラシックから近現代作品まで幅広いプログラムに携わっている。演奏家としての活動は、後のトーンマイスターとしての録音制作にも直結しており、楽譜、演奏者の呼吸、リハーサルの流れを理解した上で音響・録音に関わっている点が自身の強みである。

トーンマイスター / 録音・音響活動

トーンマイスターとして、クラシック音楽を中心に、室内楽、オーケストラ、声楽、器楽ソロ、現代音楽、ライブ収録、映像作品の音声制作に携わっている。

チューリッヒ芸術大学では、Prof. Andreas Werner のもとでクラシック録音を専門的に学び、録音計画、マイクロフォン配置、セッション運営、編集、ミキシング、音楽家とのコミュニケーションを体系的に習得した。2025年にはトーンマイスター修士課程を最高評価6.0で首席修了した。

2021年以降、オーストリア、スイス、ドイツを中心に録音制作を行い、Musik in der Pforte のコンサート映像・音声制作を継続的に担当している。録音現場では、楽譜と演奏の流れを理解した上で、会場音響、演奏者の呼吸、アンサンブルのバランスを踏まえた録音設計を行っている。

演奏家としての経験を持つトーンマイスターとして、技術的な正確さだけでなく、音楽的な意図、フレージング、空間の響き、演奏者との対話を重視して制作を行っている。

専門領域

ライブミキシング・ライブ収録

コンサート本番の流れを読みながら、演奏者の表現、会場の響き、アンサンブルのバランスを踏まえたライブミキシングおよびライブ収録を行う。室内楽、オーケストラ、声楽、現代音楽など、編成や空間に応じた音作りを行っている。

音楽的編集・ポストプロダクション

クラシック音楽におけるテイク編集、音楽的編集、ノイズ処理、ミキシング、CD制作に向けたポストプロダクションを行う。楽譜、フレージング、呼吸、音色、空間の関係を読み取り、演奏者の表現が最も伝わる形で編集している。

録音設計・ミキシング

楽器、編成、会場音響、演奏者の表現に合わせて、最適な録音設計とミックスを行う。マイクロフォン配置、メインマイクとスポットマイクのバランス、空間の響きの扱いを調整し、演奏の意図が自然に伝わる録音を目指している。

音響ネットワーク・システム設計

録音・音響制作に加え、Audio-over-IP や音響ネットワーク、音声ソフトウェア開発にも取り組んでいる。

Dante、RAVENNA、MADI などのマルチチャンネル音声伝送、デジタルミキサー、オーディオインターフェース、DAW 間の信号経路を理解し、録音・再生・モニタリング環境のルーティング設計を行っている。

また、Linux 環境でのシステム構築やプログラミングにも取り組み、C++ / JUCE などを用いて、録音・再生・ルーティング・ログ管理を統合する独自の DAW 型音声アプリケーションを設計・開発している。

この経験により、音響現場で発生する問題を、機材操作だけでなく、信号経路、ネットワーク、ソフトウェア、運用フロー全体から理解し、解決することを重視している。

主要プロジェクト

商業CD制作・リリース

トーンマイスターとして複数の商業CD制作に携わり、録音、編集、ミキシング、マスタリング、リリースに向けた音楽的判断を経験している。代表的なリリースとして、ドイツのクラシック音楽レーベル Motette より発表された Flor Peeters の室内楽作品集 Kammermusik Vol. 2(2023)がある。

ライブ放送・ラジオ制作

Concerto Stella Matutina のライブ公演において、ライブ音声および放送用音源制作を担当。ORF Radio Vorarlberg と連携し、会場での録音設計、マイクロフォン配置、本番中の音声収録、放送に耐える音質管理に携わった。

この経験を通じて、コンサート本番の一回性、放送制作に求められる安定性、演奏者・制作チーム・放送側とのコミュニケーションを同時に扱うライブ音響の実務経験を積んだ。

オーケストラ録音・国際リリース予定

2026年6月には、Sinfonieorchester Basel によるマーラー《交響曲第3番》の録音制作に参加予定。同録音は Sony よりリリース予定であり、大規模オーケストラ録音および国際レーベルでのリリースに関わるプロジェクトとして位置づけられる。

研究・論文

Music Spoken by Space: Recreating and Recording 19th Century Salon Acoustics(2025年)

チューリッヒ芸術大学トーンマイスター修士課程の修士研究として、19世紀サロン空間の音響と演奏表現の関係を研究した。ウィーンの歴史的サロン、Villa Falkenhorst、Stella Festsaal など複数の空間で録音比較を行い、空間の響きが演奏者の表現、聴取体験、録音の完成度にどのような影響を与えるかを検証した。

この研究では、録音を単なる記録ではなく、空間・演奏・聴取体験を結びつける解釈の一形態として捉えた。トーンマイスターを、演奏者の表現と空間の響き、そして現代的な録音完成度のあいだを調整する媒介者として位置づけている。

The Necessities to Communicate Between Tonmeisters and Performers(2024年)

チューリッヒ芸術大学 DAS Tontechnik の論文として、トーンマイスターと演奏者のコミュニケーションの必要性を研究した。録音現場における技術的判断だけでなく、演奏者の意図、心理的な安心感、音楽的な方向性を共有することの重要性に焦点を当てた。

この研究は、現在の録音制作における自身の基本姿勢、すなわち「音を支配するのではなく、音楽が自然に立ち上がる条件を整える」という考え方につながっている。

受賞・批評

クラリネット奏者として、日本およびヨーロッパで複数のコンクール、演奏会、批評において評価を受けている。

主な受賞

批評・レビュー

リンク・資料